【要約・書評】「欲望の錬金術」はどの職種の方も読むべき本

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こんにちは、おたけです。

今回は、「欲望の錬金術」を敬意をこめて要約・書評していきます。

どんな本か?

こちらの本は、人の心理に注目したマーケテイング本です。

人は、何か物事をするときに合理的に考えて行動しますが、実は不合理的に考えることも答えになるから結構重要だよ。ということが、説明されています。

約490ページにも及ぶ分厚い本で、私は読むのに1ヶ月ほどかかりましたが、目から鱗な情報がいっぱいで飽きることはありませんでした。

なぜこの本を買ったのか?

帯にこのようなことが書いてありました。

レッドブルは「まずくて、高くて、量が少ない」からヒットした。

「はっ?どういうこと?」じゃないですか?私は、これが気になって購入してしまいました。

また、本書のビジュアルも好きです。とにかく分厚いのです。私は、分厚い本を見ると興奮します。これ分かりますかね?

読んで役に立った内容

私は、この本を読んで役に立った内容が、絞って3点あります。

  • レッドブルがなぜ売れたか?
  • プラシーボ効果
  • 錬金術師のテクニック

レッドブルがなぜ売れたか?

先ほど、本を買った理由に、レッドブルがなぜ「まずい、高い、量が少ない」で売れたのか気になったと記述しました。

確かに、言われてみれば、決して美味しくなくて、割高で、量も少ないと自分も思っていました。普通に考えたら、「うまくて、安くて、量が多い」方が売れそうですよね。

買う側は、レッドブルに対してどういう効果を求めているのか?というのを考えると、真逆の答えの「まずい、高い、量が少ない」が正解になると説明されています。

読んだあとは、「なるほど」と思いましたし、この考えは使えるなと思いました。

プラシーボ効果

プラシーボ効果はご存じの方も多いと思いますが、簡単に説明すると、偽の薬で直接的な医療効果はなくても、自分が飲んでいる薬が効き目があると思い込むことで、症状の緩和がある。というものです。

私は医療人で、この効果の簡単な内容は知っていましたが、実はもっと奥が深いことが本書では説明されています。結構衝撃的でした。少し、引用します。

プラシーボ効果の研究では、ブランド名のついた鎮痛剤のほうが効果が出ると示されているのだ。引用:欲望の錬金術P305

なぜブランド名がつくと効果が出るのか?普通に考えたら、中身の成分を良いものにアップグレードすることじゃないかと思いますが、読み進めるとこれが理に適っていることが理解できます。人間とは本当に不思議な生き物です。

錬金術師のテクニック

本書でいう「錬金術」とは、合理的な考えではなく、不合理な考えで人間を動かすことを示しています。

この錬金術を意図して使うための、レッスンが終盤の方で書かれており、知識を行動に移すために使うことができます。

また、筆者のアイディアがたくさん書いてありますので、自分の仕事の問題に対しての答えが見つかったり、解決策のヒントを得られる可能性があります。

読んでみた率直な感想

気づき

マーケティングに関する本ですが、全職種の人が読むべきだと感じました。問題を解決するためには、もちろん合理的な対策を考えることが大事ですが、時には、不合理に思える対策が、合理的なものの効果を上回ることがあるよというのが1番の気づきでした。

本書に書かれている内容は、実例をたくさん用いて説明されているので、抽象的な内容のところでも比較的理解しやすいと思います。英書の日本語訳になりますが、訳に違和感などは感じませんでした。

読みづらいと感じた点

本書は、かなり注釈が多いので、本編を読みながら、注釈に目線をずらして、また本編に戻るという作業が少し面倒でした。理解は深まるのですが、読むのに時間がかかってしまいました。

まとめ

今まで、行動経済学の本はたくさん読んだのですが、人間の不合理な点に言及した本書は、とても新鮮で、読んでいて大変楽しかったです。

たくさん実例を紹介しており、マーケティング、政治政策から医療、ジャンルが広く、とても視野が広がります。

医療人の私ですが、使える内容がたくさんあったので、自分なりに考えて応用していきたいと思いました。

本書を読むべき人

  • マーケティングの仕事にしている人
  • 問題を新たな目線で解決したい人
  • 人間である