【5分で解説】超音波検査(エコー)のしくみを現役放射線技師が解説
こんにちは、現役診療放射線技師のおたけです。
今回、超音波検査について5分で解説する記事を作成しました。
この記事を読むことで老若男女、ザックリと超音波検査のしくみはどんなものなのかを理解することができます。
そもそも超音波とはなにか?
超音波検査は一言でいうと「やまびこのような音の跳ね返りを利用した画像検査です。」
ここでいう、「音」とは人間が聞くことができない高周波数の音、つまり超音波になります。
そもそも、周波数?超音波?音?ってなんだっていう話なんですけれども、
音は、物体の振動によってできる空気を押す力によってできます。
下の図を見ましょう。メガホンを持った人が声を出すと、メガホンが振動し、音(波)を作ります。
振動であることから空気を押すタイミングと、押していないタイミングがあり、
空気の密度が高い(密)ところと、低い(疎)ところを交互にを繰り返しながら進んでいきます。
やがて、人の耳の中に空気の波が伝わり、音として認識されます。
この波が1秒間あたり何個かあるかを周波数(Hz:ヘルツ)といい、
- 人が聞こえる周波数:16〜20kHz(kHz=1000Hz)
- 超音波検査の周波数(人間には聞こえない):2MHz〜20MHz(MHz=1000kHz)
超音波検査で使う周波数はとても高いことが分かります。
*ちなみに超音波は被ばくはないのでお見知り置きを!
超音波検査(エコー)のしくみ
一通り、音について理解したところで、超音波検査のしくみを詳しく解説していきます。
冒頭で、「やまびこのような音の跳ね返りを利用した画像検査」といいました。
やまびこは、山に向かって「ヤッホー」というと,1、2秒で山から「ヤッホー」と跳ね返ってきます。返って来るまでの時間で山までの距離が分かります。
ここで重要なのが
- 音は跳ね返る
- 返って来るまでの時間で距離(物体の位置)が分かる
ということです。
これを利用して画像を作っていきます。
実際に、お腹の超音波検査の例を見てみましょう。
分かりやすくするためにメチャメチャ簡略化した図になっています。
赤い矢印が送信の超音波、青い矢印が受信の超音波になっています。
超音波の反射は、異なる2つの物質の境界面で起きます。
今回の例だと肝臓と胆嚢の境界で反射します。反射は1点だけではなく、境界で無数に起きます。
この点を結んでいくことで辺縁の線としてモニターで観察されます。
このようにして、構造物を描画し、胆嚢であれば、ポリープや胆石、肝臓であれば肝がんなどを探していきます。
まとめ:超音波検査(エコー)のしくみを現役放射線技師が解説
いかがだったでしょうか?
超音波検査は原理が単純明快で分かりやすかったのではないかと思います。
一言で、「やまびこのような音の跳ね返りを利用した画像検査」です。
これからもみなさまのお役に立つ情報を発信していきます。
それでは!!
今日のブログのお供は
加藤珈琲店、グァテマララスデリシャスのアイスコーヒー
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